かつて、男性看護師の働く現場は、精神科や救急救命センターなど、一部の診療科に限られていました。しかし、その後男性看護師の活躍の場は広がり、集中治療室や整形外科を中心に、産科婦人科を除くあらゆる診療科で増えています。看護ケアにおいては、患者の体を支える力仕事が欠かせないため、力の強い男性が医療現場で重宝される場面は少なくありません。
また、男性看護師が増加した背景には、安定した職種として看護師という仕事が男性にも注目されるようになったことが挙げられます。看護師は慢性的人手不足が問題としてあり、どの医療現場も常時看護師を募集していると言っても過言ではありません。看護師の給与も、平均年収440万円をやや上回る500万円程度となっており、ほかの仕事から看護師に転職する男性も多いです。
医師不足を補うため、看護師の権限が強化されてきたことも、男性看護師の増加の要因として挙げられるでしょう。従来では、看護師が注射や点滴などの医療行為をする際には、必ず医師の具体的指示が必要でした。しかし、特定行為研修を受けた看護師は、医師から包括的指示さえ受けていれば、独自の判断で医療行為を行えるようになったのです。
認定看護師や専門看護師といった上級資格の取得者も増えて、医療現場ではさらに看護師の活躍の場が広がっています。このように、キャリアアップの道が開かれた看護師の世界に魅力を感じて、看護師になろうと考える男性も増えたのです。男性看護師の実態は、こちらのサイト((http://danseikangoshi-jittai.com))でも触れられていたので、読んでみると面白いかもしれません。